EVバブル崩壊? トヨタ電池工場「11月再延期」という現実――中国“需要5.6倍供給”が示す過剰投資の行方

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EV需要の減速にもかかわらず、世界のEV用電池は中国が68%、韓国16%を占める過剰供給状態。トヨタ工場延期も示す再編期に、質的転換と競争適応が問われる。

EV用電池の供給過剰

トヨタのロゴマーク(画像:AFP=時事)
トヨタのロゴマーク(画像:AFP=時事)

 世界的な電気自動車(EV)需要の減速とは対照的に、EV用電池の供給能力はすでに飽和状態に近づいている。過剰投資が一転し、生産能力削減や工場建設の延期・中止が相次ぐ状況だ。淘汰が現実味を帯びてきた。

 米国のコンサルティング会社アリックスパートナーズの最新リポートによれば、EV用電池の世界的生産能力は需要を大幅に上回る。中国の生産能力は

「需要の5.6倍」

に達すると見込まれている。主要電池メーカーの生産能力拡大により、需給ギャップは拡大傾向にある。

 過剰投資の背景には、各国政府によるEV関連事業の補助金や、脱炭素目標を前提とした「EVバブル」がある。米国のインフレ抑制法(IRA)、EUのゼロエミッション規制、中国の新エネルギー車(NEV)政策などを受け、EV需要の拡大を前提に生産能力は過剰に積み上げられてきた。

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