「BYD vs 日本」 ラッコ上陸で軽市場が動揺? N-BOX支配圏に迫るEV戦略&EC販売の衝撃
2025年10月、BYDは軽EV「ラッコ」を日本専用設計で世界初公開。全長3395mmのスーパーハイトワゴンで、EVならではの低ランニングコストやV2H機能を備え、既存ガソリン車市場に挑む。既存ユーザー基盤を持つ日本勢との攻防が、軽EV市場の分水嶺を決める。
消費者選択の分水嶺
スーパーハイトワゴン市場では、価格・技術・販売戦略を軸に、BYDと日本勢という異質な二つの勢力による競争が本格化しつつある。BYD・ラッコは日本市場向けに専用設計された初のEVであり、従来のガソリン車中心の市場構造を揺さぶる可能性を持つ。BYDは2023年1月に日本市場に参入し、今年7月には累計販売台数5千台を達成した。今後、ラッコが軽市場でどの程度影響力を持つかが注目される。
一方、日本勢は既存顧客基盤に支えられ、一定の抵抗力を持って守りに徹している。しかし、中長期的にはEV化の遅れがシェア圧迫リスクとなるため、早急に対策を講じる必要がある。特に、消費者のEV受容度や購買行動の変化は、今後の市場構造を左右する重要な要素だ。
消費者の選択変化に対して、販売戦略や充電インフラ対応、利便性訴求の柔軟性が求められる。EVに関心の高い層がどの程度市場に拡大するか、地方やセカンドカー市場における受容度がどのように推移するかが、軽市場の将来を決める分水嶺となる。日本の軽市場における競争力の行方は、この消費者行動の動向によって左右される局面を迎えつつある。