ウインカー「3秒前点灯」わずか1%、おいおい大丈夫か!? 交通安全“基本のキ”が守られない根本理由
日本の道路でウインカーを正しく使うドライバーはわずか数%にとどまる。JAF Mate Onlineの調査では、車線変更時に3秒前合図を出すのは1%、77%は合図を軽視する実態が明らかになった。心理的焦りや過信が背景にあり、事故リスクを高めている現状を踏まえ、交通法規が定める30m・3秒の合図の重要性を再検証する。安全な運転は小さな合図から始まる。
ウインカー未使用の現実

日本の道路では、「ウインカーを正しく使用しないドライバー」が一定数存在する。
道路交通法第53条では、運転者は左折、右折、転回、進路変更の際に方向指示器で合図し、その動作が終わるまで続けることを義務付けている。さらに道路交通法施行令第21条では、交差点の30m手前、あるいは進路変更の3秒前に合図を出すことを定める。違反した場合、普通車では反則金6000円、違反点数1点が科される。
しかし、実際の道路では理想から大きく乖離している。2016年に日本自動車連盟(JAF)が全国で実施した調査では、「ウインカーを出さずに右左折や車線変更をする車が多い」と感じる人が77.1%に上った。
さらに2023年には、JAF Mate Onlineが東名高速道路東京料金所付近で調査を行った。車線変更時にウインカーを3秒前に点灯させていたドライバーは
「わずか1%」
で、同時点灯が約43%、3秒未満が約37%、走行中の点灯が約19%だった。この傾向は、安全意識の低下だけでなく、
・車の流れを妨げない自己判断
・心理的な急ぎ
が影響していると考えられる。
では、なぜここまでウインカー不使用が横行しているのか。本稿では、ドライバーの心理的背景を探りつつ、交通社会全体のストレス軽減につながる適切な合図の重要性を解説する。