ウインカー「3秒前点灯」わずか1%、おいおい大丈夫か!? 交通安全“基本のキ”が守られない根本理由
日本の道路でウインカーを正しく使うドライバーはわずか数%にとどまる。JAF Mate Onlineの調査では、車線変更時に3秒前合図を出すのは1%、77%は合図を軽視する実態が明らかになった。心理的焦りや過信が背景にあり、事故リスクを高めている現状を踏まえ、交通法規が定める30m・3秒の合図の重要性を再検証する。安全な運転は小さな合図から始まる。
連鎖する交通リスク

ウインカーを出さない行動には、感情的要素と状況的要素が複雑に絡んでいる。JAF Mate Onlineが2025年2月に実施した会員アンケートでは、約7割のドライバーが
「前方の車が突然ブレーキを踏んで驚いた経験がある」
と回答した。さらに同年4月の実地調査では、全体の約4分の1がウインカーを出す前にブレーキを踏んでいたことが確認された。
こうした行動の背景には、突発的な判断が多い。
・目的地を急に見つけた
・ナビの音声案内に焦って進路変更した
・道を間違えて動揺した
といったケースだ。危険回避以外の理由でブレーキを踏んだ車の約4割は、その後に右左折や進路変更を実施している。事前に合図していれば、後続車へのリスクを低減できた可能性が高い。
また、急なブレーキを目撃したドライバーの約6割が
「急ハンドルや急減速を強いられた」
と回答している。一瞬の判断ミスが周囲の車両に連鎖的な危険をもたらすのだ。国土交通省の交通事故分析でも、方向指示器を適切に用いないことは事故リスクを高める運転行動のひとつと位置付けられ、早めの合図が事故防止に有効であると指摘されている。
交通心理学の視点では、運転者が自らの運転技量を過大評価する「自信バイアス」や判断への「過信」が、合図の省略や自己中心的な進路変更につながる。こうした心理傾向は相互配慮を低下させ、交通環境全体の予測可能性を損なう要因となる。
このように、ウインカーの不適切な使用は単なる怠慢ではない。心理的焦りと認知的過信が重なった結果として現れ、交通安全に深刻な影響を与えている。