市電廃止が影響? 京都・西陣が繁華街から「地域密着の街」へ変貌した根本理由

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京都市上京区の西陣は明治時代から高度経済成長期にかけて河原町と並ぶ繁華街だった。地域を取り巻く環境が変化するなか、大きく姿を変えた街を歩いてみる。

市電消失後の街の試練

今出川通を走る京都市バス(画像:高田泰)
今出川通を走る京都市バス(画像:高田泰)

 北野天満宮(京都市上京区)の少し南から中立売(なかだちうり)通を通って千本通まで約400mの商店街が続く。片側1車線の車道の両側に約70店が並び、緑色の屋根付き歩道が整備されている。レトロな雰囲気が漂う北野商店街。近隣住民が買い物に来るが、訪日客の姿はあまり見かけない。

 高度経済成長期までは京都駅(下京区)と北野天満宮を結ぶ京都市電堀川線(北野線)が商店街を走り、参拝客や買い物客でにぎわっていた。今も寂れてしまったわけではないが、商店数が減り、空き店舗や空き地ができている。

 2021年に商店街を調査した京都市小売商総連合会とウエル北野協同組合は「消費者の買い物動向が変化し、商店街を取り巻く環境に厳しさが見える」と分析している。明治時代創業の商店主は

「市電がなくなって外から来る人が減った。住民の高齢化も進み、商売が大変や」

と打ち明けた。

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