市電廃止が影響? 京都・西陣が繁華街から「地域密着の街」へ変貌した根本理由
京都市上京区の西陣は明治時代から高度経済成長期にかけて河原町と並ぶ繁華街だった。地域を取り巻く環境が変化するなか、大きく姿を変えた街を歩いてみる。
時代の変化で河原町と明暗

だが、西陣は時代の変化に飲み込まれる。映画館はテレビの普及で客足が遠のき、現存するのは五番町の千本日活(旧五番街東宝)だけ。周囲は遊郭が廃止され、住宅街になっている。市電は消え、京福電鉄も白梅町駅(現北野白梅町駅、北区)~北野駅(上京区)間が廃止された。その結果、西陣はバスでしか行けなくなった。
千本通はオフィスと店舗、マンションが混在する街並みに変わっている。スーパーの隣に「西陣京極」の看板があり、路地を入ってみた。なかにあるのは商店街の西陣京極会加入の飲食店15店ほどが集まる飲食街。レトロな穴場という雰囲気で、通行人に聞くと訪日客や観光客が頻繁に訪れる場所ではないという。
千本通や今出川通、中立売通の人通りはそれなりにあるが、河原町のようなにぎわいはない。地域の人が集まる場所に生まれ変わって生き残っている感じだ。全国チェーンの店舗が増え、地域の独自色が次第に薄れつつあるようにも見えた。