「伊豆縦貫道」全開通するとどうなる? 東京~下田40分短縮がもたらす、年間500億円の経済効果とは
伊豆地方の観光・物流・防災の中核を担う伊豆縦貫道。全線開通で東京~下田間の所要時間は最大40分短縮、経済波及効果は年間500億円規模。地方経済活性化の鍵を握る課題路線として、その真価が問われるときである。
山岳区間建設費増大

伊豆縦貫道は、2025年9月時点で月ヶ瀬IC~茅野ICと河津逆川IC~下田ICが未開通となっている。特に河津逆川IC~下田ICは約10kmの区間ながら、開通は困難を極めている。
理由は山岳地帯で災害が起きやすく、強固なトンネル建設が必要なためだ。その分、建設費は膨らむ。実際、事業計画当初から
・自然由来の要対策土の処理
・地質調査による支保パターン変更と補助工法追加
・物価上昇による資機材・労務単価の増加
により、河津下田道路(II期)だけで約86億円の建設費が増加した。さらに
・設計基準・要領改訂による変更
・地質差に伴う構造変更
・建設発生土処理地の変更
・物価上昇による資機材・労務単価の増加
が重なり、河津下田道路(I期)では約253億円の建設費増加となった。建設費が膨らむと、いくら経済効果が見込まれても工事が後手になりやすいのは致し方ない。
国土交通省の試算によると、伊豆縦貫道の費用対効果は、全線開通時で1.2、未開通区間開通時で1.3だ。未開通区間が開通しても、費用対効果が飛躍的に伸びるわけではない。そのため、他地域で費用対効果が大きく伸びる路線が優先されやすい。
加えて、日本全体の予算配分が厳しく、地方の高規格道路に十分な費用を割くことは難しい。海外では高速道路の無料化が進む一方、日本の高速道路は2115年まで有料期間が続く見込みである。