「伊豆縦貫道」全開通するとどうなる? 東京~下田40分短縮がもたらす、年間500億円の経済効果とは

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伊豆地方の観光・物流・防災の中核を担う伊豆縦貫道。全線開通で東京~下田間の所要時間は最大40分短縮、経済波及効果は年間500億円規模。地方経済活性化の鍵を握る課題路線として、その真価が問われるときである。

災害に強い道路整備

伊豆地方のわさび畑(画像:写真AC)
伊豆地方のわさび畑(画像:写真AC)

 伊豆縦貫道の全線開通は、地元住民の生活インフラ整備にも直結する。通勤や通院で車を利用する住民も多く、所要時間の短縮は日常生活の生命線だ。

 伊豆地方で高度救急医療を受けられる施設は、2025年9月時点、伊豆の国市の「順天堂大学医学部附属静岡病院」のみである。現状、下田市から同病院まで順調に進んでも約1時間20分を要する。伊豆縦貫道の開通は救急搬送時間の短縮にも貢献する。

 また、既存の主要道路は災害に弱い。国道135号線は海岸線沿い、国道414号線は山岳地帯を通るためだ。国道414号線では2012(平成24)年度~2021年度の10年間で通行止めが38回発生している。通行止めの繰り返しは交通マヒの原因となる。伊豆縦貫道には災害に強い道路としての期待もある。

 さらに、伊豆地方南部の農水産物輸送の効率化にも効果がある。特にわさびの出荷は盛んで、下田市から東京・豊州市場へは週3回ほど運ばれている。2023年3月に河津七滝IC~河津逆川ICが開通したことで、輸送時間に変化が表れた。

 わさびの平均輸送時間を比較すると、開通前は232分、開通後は207分となり、約25分の短縮だ。事業用運転手は4時間連続運転で最低30分の休憩が必要なため、開通前は余計に到着まで時間を要していた。伊豆縦貫道の開通は、ドライバーの負担軽減にもつながる。

 加えて、首都圏だけでなく中京圏やその他地域への供給力向上も期待できる。物流効率化と生活利便性の両面で、地域経済への影響は大きい。

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