「伊豆縦貫道」全開通するとどうなる? 東京~下田40分短縮がもたらす、年間500億円の経済効果とは
伊豆地方の観光・物流・防災の中核を担う伊豆縦貫道。全線開通で東京~下田間の所要時間は最大40分短縮、経済波及効果は年間500億円規模。地方経済活性化の鍵を握る課題路線として、その真価が問われるときである。
河津渋滞の実態解明

伊豆地方の新たな主要路線として期待されるのが、
「伊豆縦貫自動車道(伊豆縦貫道)」
である。伊豆縦貫道は、沼津市を起点に、南端の下田市までを結ぶ総距離約62kmの路線だ。起点の沼津市は、東名高速の沼津インターチェンジ(IC)と新東名高速の長泉沼津ICと接続している。
2025年9月時点で、起点の沼津市から約7割の区間は開通済みである。温泉地の伊豆長岡や観光地の修善寺までのアクセスは、すでに改善されている。
しかし、未開通区間である河津町や下田市までのアクセスは、依然として深刻な混雑に悩まされる。特に河津町は「河津桜」の名所であり、下田市も観光・漁業が盛んな街である。
観光シーズンには、多くの来訪者が集中する。そのため、国道135号線や414号線では、通常の2~3倍の所要時間を要することもある。交通インフラの未整備が、伊豆地方の観光効率に影響を与えている。