「伊豆縦貫道」全開通するとどうなる? 東京~下田40分短縮がもたらす、年間500億円の経済効果とは

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伊豆地方の観光・物流・防災の中核を担う伊豆縦貫道。全線開通で東京~下田間の所要時間は最大40分短縮、経済波及効果は年間500億円規模。地方経済活性化の鍵を握る課題路線として、その真価が問われるときである。

観光消費増と雇用創出

下田市の伊豆急下田駅前(画像:都野塚也)
下田市の伊豆急下田駅前(画像:都野塚也)

 伊豆縦貫道の開通により、東京駅~下田市間のアクセスは最大で40分短縮されるとされる。

 沼津市~下田市間の所要時間を比較すると、整備前は約133分、全線開通後は約79分となり、ほぼ1時間の短縮だ。観光促進に大きく寄与するインパクトである。

 静岡県の試算では、伊豆縦貫道全線開通による経済波及効果は年間約500億円規模に達する。特に未開通区間の南伊豆地方では、伸び率が顕著だ。

 河津町は約97.6億円で71.3%増、下田市は約178.5億円で84.6%増、南伊豆町は約39.7億円で68.4%増と予測されている。いずれも高い経済効果が期待される。

 2015(平成27)年度、静岡県の宿泊者数は約1966万人で、伊豆地方はその約6割にあたる1126万人を占めた。伊豆縦貫道の全線開通により、宿泊客増も見込まれる。

 これにより、観光客の消費単価増、地域雇用の創出、自治体税収の増加が期待され、地域活性化につながると考えられる。

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