陸の孤島「足立区」を変えた日暮里・舎人ライナー! 通勤時間10分短縮・定期代6000円減が誘発した人口流入と経済再編
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- 鉄道, 新交通システム, 東京都交通局, 日暮里・舎人ライナー
都市の周縁だった足立区北部が、ライナー開業を契機に激変を遂げた。ピ-ク混雑率180%超という都心並の需要を集め、通勤時間短縮と月額約6000円の定期代節減を実現。交通インフラが都市構造の再構築を促し、人口流入と商業再編を連鎖的に誘導した。日暮里・舎人ライナーは、足立区を単なる郊外から新たな都市経済圏へと転換させた重要な一手である。
足立区交通網の革新

現在、東京都足立区には三つの鉄道路線が南北に縦断している。西から順に、日暮里・舎人ライナー(2008年開業)、東武伊勢崎線(1899年開業)、つくばエクスプレス(2005年開業)である。
かつては東武伊勢崎線のみが区内を走っていた。区外へ出る手段は限られており、東西方向へバスで移動し、東武伊勢崎線に乗り換えるか、区外運行のバスを利用するしかなかった。
現在の日暮里・舎人ライナーのルート付近では、かつて都営バス「里48系統」が主要な公共交通であった。この路線はライナーの高架下にある尾久橋通りを走るが、沿線の通勤・通学者のほぼ全員が利用していた。
しかし、尾久橋通りは慢性的な渋滞が常態化していたため、ラッシュ時の定時運行が困難を極めていた。このため、足立区の隅田川以北、特に東武伊勢崎線沿線以外の地域は「陸の孤島」と化していた。
こうした交通環境の課題を背景に、足立区では1970年代から新たな鉄道建設を求める声が強まった。