JRは再編されるべき? 「612億円」の赤字が浮き彫りにするJR各社の格差──“セクショナリズム”打破のカギとは

キーワード :
, , , , , ,
JR発足から38年。分割民営化によって露呈した地域間格差と制度疲労をどう克服するか。8400億円超の黒字と612億円の赤字が同居するJR7社体制の限界を前に、国主導による再編の是非と持株会社設立の現実性を問う。

経営統合が生む競争力

会社発足以来一度も営業黒字を計上していないJR北海道は、北海道新幹線札幌延伸による経営再建を見据える(画像:大塚良治)
会社発足以来一度も営業黒字を計上していないJR北海道は、北海道新幹線札幌延伸による経営再建を見据える(画像:大塚良治)

 EX予約はセクショナリズム(組織内で自分の所属部門や地域の利益を優先し、全体の利益を損なう考え方や行動)を超え、JR各社の同盟関係が競争優位の構築を導いた好例である。しかし、EX予約によってJR3社間の運賃・料金収入の配分で減収を甘受する局面も生じる。部分連合であるEX予約は、各社の犠牲や費用負担が前提となる。

「経営統合」

が実現すれば、こうした費用負担は連結決算で相殺される。

 日本の観光振興のためには、交通モードの垣根を越えた連携が重要だ。しかし、JRグループの競争優位を高める観点からは、JR7社の経営統合が有効である。これにより、JR各社を直通する長距離列車の復活も期待できる。

 他業界と比べると、鉄道事業者の経営統合はほとんど行われてこなかった。阪急阪神ホールディングスの誕生など例外はあるが、2020年代に入り富山ライトレールの富山地方鉄道への統合、新京成電鉄の京成電鉄への統合、泉北高速鉄道の南海電気鉄道への統合が進んだ。筆者が注目するのは、

・JR東日本
・西武ホールディングス(HD)

の動向だ。2013(平成25)年4月5日、投資ファンドのサーベラスが西武HDに株式公開買付け(TOB)を行うと発表した際、西武HDはJR東日本に支援を求めたとされる(日本経済新聞電子版2013年6月26日付)。

 JR東日本の支援は実現しなかったが、両社は連携を深めている。先日、JR武蔵野線と西武線の直通運転計画が明らかになった。

「JR東日本と西武HDの合併」

を推す声もある(『マネーポストWEB』2024年6月22日)。

全てのコメントを見る