スバルが米ピックアップ市場に参入? 「北米7割依存」脱却を狙う空白地帯戦略――SUV偏重からの転換なるか
北米販売が全体の7割を占めるスバルが、2025年のモビリティショーで新型ピックアップを初公開するとの観測が浮上した。価格競争が激化する小型市場で、ハイブリッド投入やトヨタとの共同開発により突破口を狙う構えだ。北米偏重の歪みを是正できるのか、その成否が注目される。
販売奨励金30万円の重圧

スバルの2024年度の自動車販売台数は93万6000台に達した。北米市場が約7割を占め、66万2000台を販売したものの、米国市場でのシェアは約4%にとどまる。2025年3月時点で
「32か月連続の前年超え」
を記録し、北米事業は好調を維持している。
一方、米国市場の販売奨励金は1台あたり2000ドル(約30万円)に上昇し、前年から800ドル(約12万円)増加した。販売奨励金とは、メーカーや販売会社が販売促進のためにディーラーに支払うインセンティブである。販売台数増加を狙い、ディーラーに金銭を提供し、値引きの原資として使われることが多い。このため消費者向けの販売価格は下がりやすい一方、メーカーの利益を圧迫する要因ともなる。
その結果、全社営業利益に占める北米事業の割合は約25%にとどまる。地政学リスクや関税政策の懸念はあるが、北米依存の構造的偏りに大きな変化は当面見込めない。
北米販売の約9割はフォレスターやクロストレックなどのスポーツタイプ多目的車(SUV)が占めている。
「極端なSUV依存からの脱却」
が求められており、参入セグメントの再定義は不可避だ。新型ピックアップは、スバルのラインナップの空白を埋める有力な選択肢となる可能性が高い。