物流構造が大転換した「近代日本」 内航海運、鉄道、道路と主役交代した歴史を振り返る

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日本の貨物輸送は内航海運、鉄道、道路へと主役交代し、経済発展が加速した。明治維新後は鉄道輸送が急速に発達。今回はそんな貨物輸送の近代史をたどった。

近年の物流変化の主要国比較

輸送機関別輸送トンキロの推移(画像:本川裕)
輸送機関別輸送トンキロの推移(画像:本川裕)

 最後に、貨物輸送の分担率の元データである輸送機関別の輸送トンキロの推移について、主要国の比較を行い、近年における各国の物流変化の特徴を簡単に探ってみよう(ロシア、ウクライナの同様のデータについては上掲の記事参照)。

 ITF(International Transport Forum:国際交通フォーラム、経済協力開発機構〈OECD〉の下部組織)が公表しているデータを使って、日本の輸送モード別のトンキロ・ベース輸送量の推移を主要国の動きと比較した。

 図を見ると以下のような点を読み取ることができる。

・道路輸送はいずれの国においても戦後の経済発展とともに大きく伸びた点が目立っているが、各国とも近年は伸び悩みの状況に陥っている。

・鉄道の果たす役割は国により大きく異なり、重要性が最も高いのは米国である。日本は最も重要性が低くなっている。中国、ヨーロッパはその中間である。

・米国の鉄道輸送の発展は西海岸と東海岸を結ぶ路線などでダブル・スタック・トレイン(海上コンテナを上下に2個積み)に象徴される高効率の大量輸送が開発されたことなどによる。

・パイプラインの果たす役割も国により大きく異なっている。重要性は米国、中国、ヨーロッパの順で高い。日本はほとんど役割を果たしていない。

・島国の日本では近代に入って衰退したが、大陸国では域内を流れる大河や運河を利用した内陸水運の役割がなお大きい。中国では、経済成長を支える動脈のひとつとして内陸水運の輸送量が大きく拡大している。

・沿岸海運は重厚長大の時代には日本で特に大きな役割を果たしていたが、近年は道路と逆転している。中国でも域内海運はなお大きな役割を果たしている。なお、ヨーロッパ各国を相互に結ぶ外航海運は、ヨーロッパ単位で考えれば、内航海運のような役割を果たしており、これを合わせた域内海運の輸送量はずっと多い。

・経済の躍進が続いている中国は貨物輸送量も大きく増大している。中国はいろいろな輸送モードを総動員して輸送需要に対応している様子がうかがえる。

 このように各国は、それぞれの国の地形や経済発展段階に対応した輸送機関の分担で物流を展開させていることがうかがわれる。

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