電動キックボードは本当に普及するか? 世間に巻き起こる「大反発」のワケとは

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最も身近な小型電動モビリティといえば、電動アシスト自転車だろう。しかし、電動アシスト自転車が「原付」だった時代があることをご存じだろうか。現在は「自転車」扱いとなった電動アシスト自転車の過去に学び、今後の小型電動モビリティを想像する。

規制緩和によるメリットは何か

電動キックボードのイメージ(画像:写真AC)
電動キックボードのイメージ(画像:写真AC)

 規制緩和で賛否両論を呼んでいる小型電動モビリティだが、普及によるメリットは大きいと筆者は考えられる。

 例えば、通学距離が長い地方の学生だ。首都圏のように公共インフラが整わない地域では、電車やバスの減便・廃線などが増え、保護者による送迎などに頼る地域も少なくない。移動手段の選択肢が増えれば、こうした問題の解決にもつながる。

 このように、電動モビリティの普及について首都圏・繁華街・都心部だけ、電動キックボードだけの話と考えるのは、いささか限定的な捉え方といえる。

 もちろん都市部でもメリットはある。駐車場が少なく路地が入り組む都内の移動で、小回りの利く小型電動モビリティは活躍するはずだ。免許を取得しない若年層にも新しい選択肢として受け入れられるだろう。

新たなモビリティが“嫌われる”理由

 電動キックボードに対して賛否があるように、新しい乗り物が登場すると、しばしば混乱が生じる。

 これまでには無かった事故が発生するのではないか、といった懸念が大きな理由の一つとしてある。電動キックボードの場合、車道を走行している最中に転倒して自動車との接触を起こすのでは、といった懸念だ。

 しかし考えてみれば、速度の速い・遅いにかかわらず、また動力のガソリンエンジン・人力・電動の違いによらず、ほぼ全ての二輪車はその構造上、転倒しやすいという側面を持つ。

 従って、公道走行において危険を伴うのは何も最新の小型電動モビリティに限った話ではない。ユーザーはおのおの車両の特性を十分に理解し、細心の注意を払って使用すべきであることは言うまでもない。

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