電動キックボードは本当に普及するか? 世間に巻き起こる「大反発」のワケとは
最も身近な小型電動モビリティといえば、電動アシスト自転車だろう。しかし、電動アシスト自転車が「原付」だった時代があることをご存じだろうか。現在は「自転車」扱いとなった電動アシスト自転車の過去に学び、今後の小型電動モビリティを想像する。
なぜ、原付扱いだったのか

なぜ電動アシスト自転車が原付だったか。その理由は仕組みを考えると分かりやすい。
1940年代の日本では、自転車にチェーンソーのエンジンやホンダ「カブ」というエンジンを取り付けたモペット(モーターサイクルとペダルのついた自転車を指す造語)という乗り物が走っていた。このモペットが、現在の原付の源流となる乗り物だと言われている。その後1984(昭和59)年に登場したホンダ「ピープル」という、24ccエンジンを搭載し自転車をこぐサポートをする車両も原付として扱われた。
いわば人力とエンジンのハイブリッドであるその仕組みを電動化した電動アシスト自転車は、エンジンがモーターに置き換わった原付(人間とモーターのハイブリッド車)と解釈されたものと考えられる。
電動アシスト自転車から考える規制緩和
今回の道交法改正によって行われる小型電動モビリティの規制緩和は、電動アシスト自転車がたどった変遷(へんせん)と非常によく似ている。
かつてヤマハをはじめとした企業の働きかけにより電動アシスト自転車を免許不要の自転車として位置付けさせたのと同じように、電動キックボードのレンタル事業を展開するLUUPや電動モビリティを製造・販売するglafitなどが、規制緩和に向けた取り組みを積極的に推進してきたからだ。