JR陸羽西線は「実質廃線」なのか? 営業係数「3297円」の衝撃、バス代行「2025年度まで延長」という現実を考える

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JR東日本は国交省の高規格道路建設にともない、陸羽西線の全線運休とバス代行輸送を2025年度まで延長。日々の利用者は1987年の2185人から2023年には129人に激減し、7億円超の赤字を抱える地域鉄道の存続問題が浮上。競合する道路整備との兼ね合いとともに、沿線の未来が問われる局面を迎えている。

ローカル線抱える共通課題

土砂崩れによる片側通行で渋滞する国道47号線(画像:菅原康晴)
土砂崩れによる片側通行で渋滞する国道47号線(画像:菅原康晴)

 現在、陸羽西線で実施されているバスによる代替輸送は、新庄酒田道路の(仮称)高屋トンネル建設にともなう一時的な措置である。

 しかし現地の状況を踏まえると、この特殊事情を離れても、全国のローカル線沿線が抱える共通の課題が浮かび上がる。

 今後、陸羽西線が予定通り復旧するのか、不採算や災害などの要素を背景にバス転換へ進むのかは不透明だ。いずれにせよ、沿線の人口規模や移動需要の冷静な再計算が求められる。

 鉄道は公共交通として象徴性が強い存在であり、採算性や機能性だけで政策判断を下すことはできない。これは路線の終焉か、それとも新たな始まりか。代替交通の最適解をめぐる社会的合意形成への問いは続いている。

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