JR陸羽西線は「実質廃線」なのか? 営業係数「3297円」の衝撃、バス代行「2025年度まで延長」という現実を考える
JR東日本は国交省の高規格道路建設にともない、陸羽西線の全線運休とバス代行輸送を2025年度まで延長。日々の利用者は1987年の2185人から2023年には129人に激減し、7億円超の赤字を抱える地域鉄道の存続問題が浮上。競合する道路整備との兼ね合いとともに、沿線の未来が問われる局面を迎えている。
国道47号線の寸断リスクと対策

もう一点、懸念されるのは災害および防災の問題である。現在、内陸側と日本海側を結ぶ国道47号線は、最上川沿いの狭隘区間が多く、台風や洪水、土砂崩れによる寸断が珍しくない。筆者が乗車した日も、国道47号線の一部で土砂崩れが発生し片側通行となり、最上川渓谷沿いで渋滞に巻き込まれた。
2024年12月7日に開通した新庄酒田道路には特に災害時の物資輸送への期待が大きい。今後開通予定の同道路山間部区間には「(仮称)高屋トンネル」が含まれ、トンネルのシェルター効果により災害リスクが軽減される見込みだ。
陸羽西線は国道47号線と並走する区間も多いが、多くは一段高い場所を通り、最上川に近い国道より災害リスクは低いように見える。東日本大震災後に一部区間がバス高速輸送システム(BRT)化された大船渡線や気仙沼線の例のように、陸羽西線のバス転換も否定できない。
しかし、今後開通する新庄酒田道路は線路跡より太い大動脈で、代替輸送バスの一部区間も新庄古口道路を走行している。その風景は高速道路そのものであり、物流だけでなく旅客輸送も道路で代替可能だろう。
むしろ問題は陸羽西線沿線に限らず、中山間地域の移動権と地域経済のアクセス保障の将来にある。