なぜ物流業界は“声を上げるドライバー”を排除するのか? 地裁も認定「配車差別」の闇──物流危機の陰で進行する人手不足の“自作自演”
ドライバー不足が深刻化する物流業界で、「配車差別」が労働者排除の温床に。福岡地裁が不当労働行為と認定した実例も出る中、月13万円の収入減を招く“見えない懲罰”が、制度の盲点と裁量の濫用によって静かにまん延している。
制度の穴と裁量の悪用

運送業界における配車は業務の割り当てだけではなく、実態は収入の振り分けであり、ドライバーの生活水準を左右する決定行為だ。
トラックドライバーの給与は、固定給ではなく変動制が一般的だ。運行距離や拘束時間に応じて報酬が決まる。1日500km以上の長距離便は1回あたりの単価が高く、繁忙期の休日運行にはさらに上乗せがつく。逆に、近距離や日勤の仕事ばかりが続けば、月収は下がり、生活は成り立たなくなる。
この重要な配車の決定権は、現場の
・配車係
・管理職
に一任されている。制度としての透明なルールや外部の監査機構はほとんど存在しない。その結果、現場の裁量で懲罰的な配車が行われる余地が残されている。実際に、労働組合への加入や待遇改善の要求をきっかけに、長距離便の配車が急減したという証言が各地で報告されている。
「会社に従わない者 = 稼げない者」
という構図が、制度の隙間で温存されている。経営側は
「業務需要やドライバーの適性を踏まえた判断だ」
と説明するだろう。だが、それが事実であれば、なぜ組合加入の直後に極端な配車変更が起こるのか。配車という裁量権の濫用が、制度の背後に隠されている。この構造に対し、法制度や行政は今も十分に対処できていない。