鉄道各社で始まった「運賃値上げ」の波 一方、無料化する事業者も いったい何が違うのか?

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鉄道各社はこれまで運賃の値上げを控えてきたが、値上げに踏み切る形になった。しかし値上げがある一方で、無料へとかじを切る事業者も出ている。この差はいったい何か。

コロナ禍のダメージが大きい鉄道会社

無料デーを実施している池上線(画像:写真AC)
無料デーを実施している池上線(画像:写真AC)

 新型コロナウイルスの感染拡大は既に2年超に及び、テレワークが推進された。

 推進により通勤時間帯の混雑は緩和。しかし、第6波あたりから以前ほどとはいわないまでも混雑は戻りつつある。通勤・退勤ラッシュ時の混雑率は、コロナ禍とは思えないほど高い。

 混雑が戻ってきていても、鉄道各社の経営の見通しは明るくない。コロナ禍の2年間で、経営は厳しい状態へと追い込まれた。

 JR西日本が2022年4月11日、2017年から2019年までの3年間における17路線30区間の営業係数を発表した。その内容は、鉄道関係者や鉄道ファン、そしてなによりも地域の足を守ることを使命に課されている自治体関係者に衝撃を与えた。

 JR西日本はJR東日本・JR東海と並ぶ巨大事業者でもある。そんなJR西日本でも、コロナ禍による減収減益は激しい。これまでは黒字路線がローカル線の赤字を補填(ほてん)してきたが、もうそれも限界だ。今後、廃線議論が始まるだろう。

運賃値上げの背景に設備更新や原油高

近畿日本鉄道のウェブサイト(画像:近畿日本鉄道)
近畿日本鉄道のウェブサイト(画像:近畿日本鉄道)

 JR各社だけではなく、私鉄各社も生き残りに必死だ。

 渋谷駅を拠点に東京・神奈川に路線網を有する東急電鉄は、2023年3月をメドに運賃を値上げすることを国土交通省へと申請した。

 同申請が認可されれば、初乗り運賃は10円ほど上がり140円になるという。消費税率の変更に伴う運賃改定を除けば、東急が運賃を上げことは2005(平成17)年以来になる。

 関西一円に広大な路線網を有する近畿日本鉄道も2023年4月をメドに運賃の値上げをすると申請。

 鉄道各社は、長らく運賃を値上げすることを控えてきた。しかし、設備の更新や原油高などの影響もあり、値上げに踏み切る形になった。