鉄道各社で始まった「運賃値上げ」の波 一方、無料化する事業者も いったい何が違うのか?

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鉄道各社はこれまで運賃の値上げを控えてきたが、値上げに踏み切る形になった。しかし値上げがある一方で、無料へとかじを切る事業者も出ている。この差はいったい何か。

鉄道利用者を増やす有力な選択肢とは

人口減少のイメージ(画像:写真AC)
人口減少のイメージ(画像:写真AC)

 鉄道各社が経営的に厳しさを増しているのは、それだけが理由ではない。コロナ禍だったら数年の辛抱で済む。問題は、以前から忍び寄っていた

「人口減少」

という社会問題だ。

 鉄道利用者を増やす有力な選択肢は、

・沿線外需要を増やす
・沿線人口を増やす

のふたつだ。

 沿線外需要とは平たくいえば、観光客の誘致になる。沿線人口を増やすには、沿線を魅力ある街にすることが求められる。

 地方都市では、早い段階から沿線人口を増やす施策に取り組んできた。それらが実を結んでいるかといえば疑問は残るものの、なんとか局面を打開しようという気持ちは伝わってくる。

無料にかじを切る事業者も

函館市電(画像:写真AC)
函館市電(画像:写真AC)

 北海道函館市を走る函館市電は、2007(平成19)年から定期的に無料デーを実施。東急電鉄も2017年10月9日、池上線全線の運賃を無料にした。

 静岡県富士市を走る岳南電車は、2021年12月25日(土)を皮切りに、2022年1月1日と2日を除いて2月13日までの土日祝日を全線運賃無料にするキャンペーンを実施した。

 さらに長崎県長崎市を走る長崎電気軌道は毎月第3日曜日を「路面電車こども無料の日」とし、小学生以下の運賃を全線で無料にすると発表した。

 運賃の値上げをする鉄道会社がある一方で、無料へとかじを切る鉄道事業者も出ている。この差は何なのか?

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