なぜ「バスタ新宿」は1日2.5万人も集めるのか? 再評価される高速バス、全国で進む「バスタ」整備の現実とは

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全国的に進む「バスタ」開発。鉄道やタクシーとの接続強化、利便性向上を目指すこの取り組みは、観光や地域活性化にも貢献。新宿の「バスタ新宿」では1日約2万5000人が利用、今後は全国7カ所で開業予定。公共交通の未来を担う高速バス拠点の進化を追う。

バスタ新宿の利用者「1日2.5万人超」

バスタ新宿(画像:写真AC)
バスタ新宿(画像:写真AC)

 今後、全国各地でバスタ(バスターミナル)の開発が活発になる可能性がある。ここでいうバスタとは、高速バスの乗降場を1か所に集約した交通ターミナルのことだ。鉄道やタクシーとの乗り継ぎをスムーズにする機能を持ち、待合所や案内所も備える。

 さらに、物販店や飲食店、サービス施設を併設することで、交通情報や観光情報を発信する機能も果たす。

 代表的な事例が、2016年4月に開業した「バスタ新宿」(正式名称:新宿南口交通ターミナル)である。それまで新宿駅西口周辺に点在していた19か所の高速バス乗降場とタクシー乗り場をひとつにまとめた。

 この施設は、新宿駅南口地区基盤整備事業の一環として整備された。バスタ新宿の建物は、道路と一体になった構造で国が整備。改札や駅施設、JRミライナタワー(低層階に商業施設「NEWoMan」、上層階に賃貸オフィス)などはJRが整備した。

 開業当初、118社のバス事業者が乗り入れた。1日の最大発着便数は1625便。停車場は15か所、行先は全国39都府県、300都市に及ぶ。高速バスターミナルとしては日本最大の規模だった。

 2024年時点では、変動はあるものの、1日平均2万5000人前後が利用している。発着便数は1日平均で約1200台となっている(1日あたりのバス発着便数と利用者数を週単位で集計した平均値/国土交通省による算出)。2025年に入ってからは、1日あたり2万5000人を超える週も増えている。

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