なぜ「バスタ新宿」は1日2.5万人も集めるのか? 再評価される高速バス、全国で進む「バスタ」整備の現実とは
全国的に進む「バスタ」開発。鉄道やタクシーとの接続強化、利便性向上を目指すこの取り組みは、観光や地域活性化にも貢献。新宿の「バスタ新宿」では1日約2万5000人が利用、今後は全国7カ所で開業予定。公共交通の未来を担う高速バス拠点の進化を追う。
バスタ開発で地域活性化加速

そもそも高速バスは、鉄道のように都市計画に沿って整備されたものではない。利用ニーズに応じて徐々に拡大してきた経緯がある。そのため、乗降場は駅の周辺に点在し、場所がわかりづらかったり、乗り継ぎが不便だったりするケースが少なくない。
また、バスタには高速バスの利用者の利便性を高めるような施設、サービスが導入されることが望まれる。待合スペースにはベンチだけでなくカウンターテーブル、通信環境が整備され、コワーキングスペースとしても活用できればよいだろう。また、今も少し離れた場所に女性専用のパウダールームを用意しているバス会社があるが、バスタに女性のパウダールームを完備すれば、女性の高速バス利用が即されそうだ。
都市計画の面からも期待されるところがある。バスタ開発は駅周辺の開発と一体的な開発である場合が多い。開発の一環として商業施設や文化施設が導入される計画も見られる。バスタ開発を機に今の時代に即した都市機能が整備されれば、地域商業の起爆剤となる可能性がある。また、観光客の玄関口ともなるため、地域観光と連動した取り組みも期待されるところだ。
今後、身近な場所でもバスタがオープンするかもしれない。高速バスをより快適に利用できる環境が実現することが望まれる。