スタック多発なのに! なぜ「冬用タイヤ」を装着しないのか? 雪道での立ち往生が生む年間12億円超の経済損失

キーワード :
, ,
2025年の冬、予想を超える積雪が各地で道路麻痺を引き起こし、立ち往生する車両の映像が連日報じられている。2018年の首都高速で発生した約10時間に及ぶ渋滞を見ても、冬用タイヤ未装着車による経済的損失は深刻である。特に、東名高速道路では冬用タイヤの未装着率が69.5%に達しており、雪道での安全確保には早期の冬用タイヤ装着が不可欠だ。これに対して、政府による支援策の導入が求められている。

冬用タイヤ未着用の影響拡大

スタッドレスタイヤで走るイメージ(画像:写真AC)
スタッドレスタイヤで走るイメージ(画像:写真AC)

 最近、各地で大雪に関するニュースが話題になっている。2024年の猛暑を受けて、2025年の冬は積雪が多くなると予想されていたが、例年雪が降らない地域にも降雪があり、予想外の影響を与えている。雪に関するニュースが流れると、必ず報じられるのが積雪によって進めなくなり、立ち往生している車の映像だ。先日も、神奈川県箱根で山道途中の道路で立ち往生している車が映し出されていた。

 この状況は「スタック」と呼ばれ、スタックした車のほとんどがノーマルタイヤで走行していたという。近年、スタッドレスタイヤなどの冬用タイヤが普及し、国土交通省をはじめ多くの関係機関が冬季に早めに冬用タイヤを着用するよう呼びかけている。それでも、依然として冬用タイヤを装着せずに走行し、雪道でスタックする車が後を絶たない。

 雪道で車がスタックすると、当然交通に影響が出る。それが経済的な損失にもつながる。実際、2018年1月には首都高速で山手トンネルの西新宿JCTから大井JCTまでの約12kmで約10時間もの立ち往生が発生した。この原因は、トレーラーがジャンクションの坂道でスタックしたことにあり、トレーラーはチェーンを装着していたが、タイヤはノーマルタイヤだった。

 2025年2月現在、日本の道路では冬になると積雪によってスタックする車が各地で発生しており、そのほとんどが冬用タイヤを装着していないという現実が続いている。なぜ、これほど話題になっているにもかかわらず、いまだに冬用タイヤの着用率が低いのか、また、道路でのスタックがもたらす経済的影響について考える必要がある。

全てのコメントを見る