訪日客向け交通系ICカード「KANSAI ONE PASS」なぜ販売終了? 満足度「9割」も、押し寄せるクレカタッチ決済の波
関西のインバウンド向け交通系ICカード「KANSAI ONE PASS」が2025年に販売終了となる。2016年の登場以来、満足度90%以上を誇ったこのカードだが、電子チケットやタッチ決済の普及が影響を及ぼした。韓国の「Travel Wallet」など国際的な決済サービスの台頭も、日本の交通系ICカードの存在感を揺るがしつつある。インバウンド市場の変化がもたらす影響と、今後の決済インフラの行方を探る。
「海外金融アプリ」の脅威

クレジットカードの申請や発行は、今や極めて簡単になっている。デビットカードやプリペイドカードなら、さらに手軽に入手できる。各国で多様な金融サービスが登場するなか、日本の交通系ICカードにとって「意外な敵」となり得る存在がある。
その一例が、韓国の「Travel Wallet」だ。Visaブランドが付与されたプリペイドカードで、アプリを通じて銀行口座から残高をチャージできる。口座はウォン建てだが、チャージ後に外貨へ自動両替される仕組みになっている。
特筆すべきは、第三国通貨への両替も可能な点だ。たとえば、韓国から日本へ渡航し、その後タイへ向かう場合、日本円建ての残高をタイバーツに両替できる。徹底的に旅行者の利便性を追求したサービスといえる。
さらに、Visaブランドが付与されたプリペイドカードであるため、日本国内のタッチ決済対応の公共交通でも利用可能だ。こうしたサービスが普及することで、自国に同様の選択肢を持つ旅行者にとって、日本の交通系ICカードを購入する必要性はますます薄れている。