訪日客向け交通系ICカード「KANSAI ONE PASS」なぜ販売終了? 満足度「9割」も、押し寄せるクレカタッチ決済の波
関西のインバウンド向け交通系ICカード「KANSAI ONE PASS」が2025年に販売終了となる。2016年の登場以来、満足度90%以上を誇ったこのカードだが、電子チケットやタッチ決済の普及が影響を及ぼした。韓国の「Travel Wallet」など国際的な決済サービスの台頭も、日本の交通系ICカードの存在感を揺るがしつつある。インバウンド市場の変化がもたらす影響と、今後の決済インフラの行方を探る。
インバウンド9割が満足も廃止へ

新しい仕組みが登場すると、旧来の仕組みは廃止へと追いやられる。
JR西日本をはじめとする関西の交通事業者は、インバウンド向けの交通系ICカード「KANSAI ONE PASS」を2025年11月1日以降、順次販売終了すると発表した。
ICOCAをベースにしたこのカードは、関西を訪れるインバウンドが1枚で電車やバスを乗り継ぎ、優待特典付きのショッピングまで楽しめるよう設計されている。利用者の評判も悪くなく、一時期は9割が「満足」と回答していたほどだ。
では、なぜKANSAI ONE PASSは販売終了となるのか。その背景にある理由を探る。