訪日客向け交通系ICカード「KANSAI ONE PASS」なぜ販売終了? 満足度「9割」も、押し寄せるクレカタッチ決済の波

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関西のインバウンド向け交通系ICカード「KANSAI ONE PASS」が2025年に販売終了となる。2016年の登場以来、満足度90%以上を誇ったこのカードだが、電子チケットやタッチ決済の普及が影響を及ぼした。韓国の「Travel Wallet」など国際的な決済サービスの台頭も、日本の交通系ICカードの存在感を揺るがしつつある。インバウンド市場の変化がもたらす影響と、今後の決済インフラの行方を探る。

かつては高評価を得ていたKANSAI ONE PASS

関西国際空港(画像:写真AC)
関西国際空港(画像:写真AC)

 筆者の手元には、2016年1月20日に新関西国際空港が公開したプレスリリースがある。これは、KANSAI ONE PASSの発売開始を伝える内容であり、日本のインバウンド産業がこの時期から一気に加速したことを示す資料でもある。

 関西の主要鉄道事業者9社が参画したこのプロジェクトは、当時としては異例の規模を誇るインバウンド向け事業だった。2016年4月8日から限定3万枚の試験販売を開始し、間もなく利用者から高い評価を得ることになる。

 関西経済連合会が2018年5月に公表した資料によると、2018年1月から3月の利用者549人を対象にしたアンケートで、「KANSAI ONE PASSの満足度」について「大変満足」が45.2%、「満足」が47.7%と、合計で90%を超える結果が示された。

 さらに、KANSAI ONE PASSのリピーターは「長期滞在・高額利用・広域利用の比率が高い傾向」にあることもデータから明らかになった。インバウンド市場の成長を後押しする、非常に好調な数値が並んでいた。

 しかし、未来は常に予測不可能だ。発売から7年後、KANSAI ONE PASSはその役割を終えることになった。

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