訪日客向け交通系ICカード「KANSAI ONE PASS」なぜ販売終了? 満足度「9割」も、押し寄せるクレカタッチ決済の波

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関西のインバウンド向け交通系ICカード「KANSAI ONE PASS」が2025年に販売終了となる。2016年の登場以来、満足度90%以上を誇ったこのカードだが、電子チケットやタッチ決済の普及が影響を及ぼした。韓国の「Travel Wallet」など国際的な決済サービスの台頭も、日本の交通系ICカードの存在感を揺るがしつつある。インバウンド市場の変化がもたらす影響と、今後の決済インフラの行方を探る。

ICカードからアプリへ移行

関西の鉄道事業者はKANSAI MaaSに注力(画像:JR西日本)
関西の鉄道事業者はKANSAI MaaSに注力(画像:JR西日本)

 2010年代後半からCOVID-19のパンデミックを経て、人々のスマートフォン活用はさらに加速した。電子チケットアプリの台頭により、これまでKANSAI ONE PASSに注力していた関西の交通事業者も、現在では「KANSAI MaaS」アプリの開発と普及に力を入れている。

 交通系ICカードは半導体不足の影響を受け、供給が不安定になる可能性があるが、アプリにはそのリスクがない。さらに、多様なパッケージプランを提供できる上、利用者にとっても

「窓口でカードを購入する手間を省ける = 窓口を探す必要がない」

という利便性が生まれる。

 加えて、関西の交通事業者は2024年からクレジットカードのタッチ決済乗車を一斉に導入した。「クレジットカード」と表現しているが、実際にはVisaやJCB、中国の銀聯といった国際ブランドが付与されたカードを指し、銀行口座から即時引き落としされるデビットカードや、チャージ式のプリペイドカードも含まれる。

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