いま「移動図書館」がアツい! 人口減少、デジタル化、過疎化…なのになぜ再評価? 単なる“本の配達屋”じゃない! 地域活性化の起爆剤を考える
移動図書館は、都市部や地方のアクセス困難な地域に図書館サービスを提供し、地域活性化に寄与する重要な役割を果たしている。近年、コロナ禍での読書環境改善や災害時の支援など、その機能が再評価され、柔軟なサービス展開が進んでいる。移動図書館の新たな可能性に注目が集まるなか、社会変化に適応し、地域に密着した活動を展開している。
高齢者・子育て世代の交流拠点

移動図書館は、地域活性化イベントへの参加など、新しい形での活用が進んでおり、注目を集めている。従来の定期巡回に加え、地域の祭りや文化イベントに出張し、その場で図書館サービスを提供する取り組みが増加している。このような活動により、普段図書館を利用しない層にもアプローチでき、読書の楽しさを広げる機会を提供している。
さらに、移動図書館は地域の高齢者や子育て世代にとって、重要な交流の場となっている。例えば、大阪府堺市の図書館が2017年に実施した利用者アンケートによると、移動図書館の利用者の約70%が60歳以上であり、「本を借りる」だけでなく、他にも
「おしゃべりを楽しむ」
「知り合いに会える」
などの回答が多く見られた。これにより、移動図書館が単なる本の貸し出し場所にとどまらず、地域コミュニティの中心的な役割を果たしていることが示されている。
移動図書館はその機動性と柔軟性を活かし、現代社会の多様なニーズに応える可能性を持っている。利用者が減少しているとはいえ、その価値は失われておらず、社会の変化に応じて進化を続ける移動図書館の今後に期待が寄せられている。