いま「移動図書館」がアツい! 人口減少、デジタル化、過疎化…なのになぜ再評価? 単なる“本の配達屋”じゃない! 地域活性化の起爆剤を考える
移動図書館は、都市部や地方のアクセス困難な地域に図書館サービスを提供し、地域活性化に寄与する重要な役割を果たしている。近年、コロナ禍での読書環境改善や災害時の支援など、その機能が再評価され、柔軟なサービス展開が進んでいる。移動図書館の新たな可能性に注目が集まるなか、社会変化に適応し、地域に密着した活動を展開している。
コロナ禍での活躍

我孫子市の移動図書館「そよかぜ号」の取り組みは、コロナ禍における子どもたちの読書環境改善に大きな成果を上げている。
市民図書館の統計によると、2020年度に7~12歳の利用者は4900人にとどまり、前年の1万人から大幅に減少している。この状況において、移動図書館は子どもたちに読書機会を提供する重要な役割を果たしている。
そよかぜ号では、市民図書館の蔵書に加え、新たに購入した6000冊を用意しており、絵本や調査学習用の本など多様なジャンルを取り揃えて、子どもたちの興味に応えている。さらに、学校図書室の不足を補うだけでなく、知的好奇心を刺激し、学習意欲の向上にも寄与している。
その活動は、単に本を貸し出すにとどまらず、読書を通じて学びや新たな発見の喜びを提供している。コロナ禍における移動図書館の取り組みは、子どもたちの読書環境を支え、健全な心身の発達を促す重要な役割を担っている。