「階段では手すりを持って」担当者が社員を監視、ある自動車メーカーが“過保護すぎる規則”を設けるワケ

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「階段では必ず手すりを持って」。とある自動車メーカーで言われたひと言に、思わず驚いた筆者。この一件から見えてくる“現場の葛藤”をリポートする。

製造現場が抱える葛藤とは

「階段では必ず手すりを」。ある自動車メーカーの“規則”、その理由とは(画像:写真AC)
「階段では必ず手すりを」。ある自動車メーカーの“規則”、その理由とは(画像:写真AC)

 ある自動車メーカーに取材へ行ったときのことだ。事務棟内を会議室に向かって案内してくれていた担当者が言った。

「階段では、必ず手すりを持ってください」

 驚く私に、担当者は困ったような笑みを浮かべた。

「安全のため、規則で決まっていますので」

 階段昇降の際の転倒、および転落を防ぐため、階段では手すりを持って昇り降りするのが規則なのだという。

 確かに階段という場所は日常の中でも意外な危険がひそむ場所だ。私自身、子どもの頃に階段から落ちて痛い思いをした経験もある。階段では安全に気を付けるべきなのは、間違いない。

 だがしかし、ここは企業のオフィスである。出入りするのは大人だけだ。

 それなのに「階段では手すりを持つ」という規則が課され、さらに昼休みなど人の行き来の増える時間には、安全担当者が、皆が手すりを持っているか監視に立つのだという。

 自動車メーカーという、いわば日本の中でも優秀な人材が集まる場所で、これほど“過保護”な光景が繰り広げられているとは、実に驚きである。