成田空港と並ぶ最悪事例? 「ベルリン・ブランデンブルク空港」の開港が9年延期された、目も当てられぬ理由

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ベルリン・ブランデンブルク国際空港の開港は、当初の予定から9年遅れ、工事費用が3倍に膨らむ結果となった。これには設計変更や過剰な要求が影響しており、インフラ計画の失敗を浮き彫りにした。この長期的な課題は、ドイツの公共事業にどんな教訓を与えたのだろうか。

過剰要求が招いた空港失敗

第2ターミナルの外観(画像:Arne Museler)
第2ターミナルの外観(画像:Arne Museler)

 ベルリン・ブランデンブルク国際空港の失敗は、絶対に避けるべき防火設備の不備によって引き起こされたもので、決して擁護できるものではない。

 さらに、その原因のひとつが、工事中に

「エアバスA380の着陸設備も欲しい」
「ショッピングモールも欲しい」

といった過剰な要求が出されたことにある。その要求自体が理不尽であり、特にエアバスA380の着陸設備については、2024年11月時点でもベルリンに定期便を運航する会社は存在していないため、必要性があるとはいい難い。

 また、空港の開業が遅れた結果、エアベルリンの破綻によるハブ空港としての機能喪失にも対応できず、ドイツの首都における航空需要拡大という当初の目的は達成されていない。ベルリン・ブランデンブルク国際空港は、住民との調整に失敗し、成田空港と並ぶ

「最悪の失敗事例」

のひとつといえるだろう。既存空港の拡張であれば、新設よりも時間がかからないはずだが、工事管理の内部問題が原因であったため、ベルリン・ブランデンブルク国際空港は成田空港よりもひどい結果を招いた可能性がある。

 計画が実行フェーズに入った後、無理な要求が現場に混乱をもたらし、最終的に航空史に残る大失敗を引き起こした。このような事例は二度と繰り返してはいけない。

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