成田空港と並ぶ最悪事例? 「ベルリン・ブランデンブルク空港」の開港が9年延期された、目も当てられぬ理由
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ベルリン・ブランデンブルク国際空港の開港は、当初の予定から9年遅れ、工事費用が3倍に膨らむ結果となった。これには設計変更や過剰な要求が影響しており、インフラ計画の失敗を浮き彫りにした。この長期的な課題は、ドイツの公共事業にどんな教訓を与えたのだろうか。
ドイツインフラ危機の象徴
ドイツは、反対運動が泥沼化した日本の成田空港の教訓を生かし、住民との協調をもとに1992年にミュンヘンの新空港を開港させ、公共事業の推進において高く評価されていた。そのため、開業延期の理由は異なるものの、ベルリン・ブランデンブルク国際空港の泥沼化した事態は多くの関係者に失望を与えた。
特に、防火設備という命に直結する重要な部分に欠陥があったことが明らかになり、国内外のメディアから激しい批判を浴びることとなった。例えば、英国の「デーリー・メール」紙は2014年に
「世界の七大無駄観光資源プロジェクト」
のひとつとして、この空港を挙げ、北朝鮮の幽霊ホテルなどと並べて紹介している。この報道は、大衆向けの写真週刊誌に近い紙面であっても、世界中でどれほど信用を失ったかを示すものだろう。
また、ドイツでは2000年代以降、橋や高速道路の劣化、鉄道の遅延など交通インフラのトラブルが続いており、ベルリン・ブランデンブルク国際空港の大失態は、ドイツのインフラ危機を象徴する出来事となったといえる。