京葉線「ダイヤ変更」が招いた中途半端な結末! 通勤快速復活「検討しない」と組合交渉で表明、不整脈ダイヤで通勤者の声は届くのか

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9月1日のダイヤ改正で京葉線の一部に快速が復活したが、まだ課題は多い。通勤時間が短くなったと喜ぶ人もいるが、特急と快速が連続して発車する「不整脈ダイヤ」で混雑が集中し、新習志野駅の停車本数が減ったことに不満の声が出ている。さらに、蘇我~東京間の通勤快速が廃止され、通勤時間が増えたことも問題視されている。多くの通勤者が改善を求めているが、JRは通勤快速の復活を検討していない。

千葉市長とのやり取り

伊藤市議議会報告会・北村講演チラシ(画像:北村幸太郎)
伊藤市議議会報告会・北村講演チラシ(画像:北村幸太郎)

 前回の京葉線の記事でも少し触れたが、筆者は千葉市長が主催する「市長と語ろう会@中央区」(7月20日)に参加し、意見交換を行った。その際のやり取りについて、詳細をお伝えできる段階になったので、詳しく報告する。

――京葉線問題の市民の関心度について。

 ウェブアンケートを実施したが、パブリックコメントを集めるといつもは10件程度あればいいところ、他の沿線自治体含めではあるが1万4000件も集まり、これは異例のこと。これが市民の関心度の高さを示している。したがって、JRも一定の対応をせざるを得なかったものと考えている。

――JRとの協議の場について。

 地域から声を上げていくしかない。民営化した中で自治体の関与は難しい。経営方針に影響を与えるくらいの株式を取得する原資は自治体にはない。それよりも、日ごろからのJRとの協議の場でしっかりと意見を伝えていくことが重要と考えている。ただ、鉄道事業者側の情報開示が少ない。ここまで極端なダイヤ改正をするのであれば利用実態や収支の状況をしっかり見せていただきたいと考えており、混雑の平準化が理由とのことだったため資料を求めたところ、数字等の提供はなされなかった。

――他市(JR西日本沿線では自治体がJR株を買って発言権を強化する動きや、富山では運行経費を投資して高山線の増発をしている)で行われているJRへの資本的な参加について。

 ホームドア整備や新駅、新改札口整備などに出資はしている。京葉線は赤字なのかと聞いても黒字といわれている。そのため財政支援は不要と考えている。鉄道資源は有限であり、ダイヤ改正はメリットとデメリットの付け替えの問題であるので、そこに対する説明が不十分と考え、今回のJRへの要望に至ったところ。

――北村としては沿線価値向上のための「投資」という趣旨で通勤快速の運行経費の負担の話をしているので、支援や補助ではなく投資的な意味合いでの運行経費の支出という観点で、可能であれば、改めて回答してもらえるとありがたい(追加質問)。

 沿線価値向上のための投資的な意味合いと考えた場合であっても、広域交通である鉄道に単独の自治体が経費を支出することは難しいと考える。今般のダイヤ改正の要因・目的は、収支の悪化ではなく、混雑の平準化であることを確認した上で、市民生活や事業活動に見合ったダイヤとして沿線価値を維持していくために、これまで、沿線市町との連名による要望や、ダイヤ改正の影響等に関するアンケートの実施、申し入れ等を行っている。ダイヤ改正は、市民生活や事業活動、沿線のまちづくりに大きく影響することから、経済団体も交え、定期的、継続的に協議を行っていきたいと考えている(交通政策課回答)。

――道路の専門家職員は多数いるのに、鉄道に特化した専門職員がいない件について。

 基本的にダイヤ改正は年に1度しかないため、常勤採用は厳しい。現在のところはJRに情報公開を求めつつ、専門家に助言や意見を求めるというのが現実的ではないかと考える。他の専門性の高い分野については臨時に期限付きの職員を採用したり、委託契約で調査活動を行っている例がある。

――確かにダイヤ改正は年1回だが、複数の路線にまたがって面的に考える必要や調査活動などを考えると、道路系は相当数の常勤職員がいるのに対し、鉄道はスポット的な職員配置でいいというのは、ちょっと鉄道分野を軽んじているのではないか、とは思います。常勤ならJRとの接見も密にでき、議論のスピードアップや質向上に資すると考えいる。改めてどうか(追加質問)。

 道路は市が計画、整備、管理することから、多くの職員を配置するが、鉄道に関しては、鉄道事業者が主体となるため、一概に道路部門と比較することは難しい面がある。担当職員は、これまで組織として蓄積したノウハウ等を引き継ぎ、研さんを積むことで、鉄道事業者との協議、調整を行っている(交通政策課回答)。

以上が市長ならびに交通政策課とのやり取りである。正直、北陸や山陽地域とは公共交通に対する温度差を感じずにはいられない印象であった。やはり鉄道運行への出資、投資は市単位では難しい部分もあるかもしれない。県単位で各市町村の意見を集約した上での投資が検討されればいいと考える。

 市長はJRへの要望活動に際して、筆者が書いた記事(東洋経済オンラインやMerkmal)が非常に参考になったといってくれた。このことに感謝の意を表したい。

 今回のダイヤ変更で多少の改善はあったが、やはり次の3月のダイヤ改正で、抜本的なダイヤパターンの見直しを期待したい。労組交渉の話を聞く限り、JR東が他の私鉄や路線と比べて

「私たちの路線はユーザー目線で便利です」

と自信を持っていえるのだろうか。一度立ち止まって、そういった視点から考えるべき時期に来ているのではないか。

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