JR東日本「SKISKI」キャンペーンが作った平成の高揚感 “スキー旅行”のきらめきをもう一度
長期間にわたるシリーズCM

今回のスノーシーズン、JR東日本の各駅には
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「雪男。雪女。」
「愛に雪、恋を白。」
「答えは雪に聞け。」
「この雪は消えない。」
といったコピーが大きく書かれたポスターが多数貼り出されていた。それは「JR SKISKI」の30周年にちなみ、過去の同キャンペーンで用いられたコピーをそれぞれポスター化したものだった。
また30周年を記念して、「JR SKISKI 30th Anniversary COLLECTION」(エイベックス)という歴代のCMソング、広告グラフィック、CM映像をパッケージ化した商品が登場。さらに、3月30日には上記のデラックスエディションが限定リリースされる。
これだけ長期間にわたりシリーズCMが制作されるのは、広告業界でもまれな例だ。本稿では、去りゆく雪の季節を惜しみつつ、これまでのCMキャラクターとCM曲と照らし合わせながら、JR SKISKIがどのような変遷を遂げ、スノー業界にどのような影響を与えたのかを考えてみたい。
増え続けるスキー人口とガーラ湯沢の誕生

以下は、90年代前半のJR SKISKI(当初は「JR ski ski」)のCMキャラとCMソングだ。
・91-92季:ZOO/ZOO「Choo Choo TRAIN」
・92-93季:ZOO/ZOO「YA-YA-YA」
・93-94季:ZOO/ZOO「Ding Dong Express」
・94-95季:ZOO/ZOO「Angelic Dream」
JR SKISKIというブランドを冠したキャンペーンは、JR東日本が新幹線駅に直結したスキー場・ガーラ湯沢(新潟県湯沢町)をオープンさせた翌年からスタートした。当時、主流だったバスと異なり、渋滞と無縁の
「新幹線でスキー」
という選択肢をスタイリッシュに打ち出していく。
ただし、プッシュしたのは利便性だけではなかった。ダンス&ボーカルグループ・ZOOのメンバーが出演したCMは、今で言う“パリピ”系若者たちのキラキラした非日常を描き、ゲレンデへの憧れをあおりにあおったのだ。
すでにバブル経済は崩壊していたが、80年代後半から急増していたスキー人口は右肩上がりで増え続けていた。CM曲「Choo Choo TRAIN」はミリオンヒットとなり、スキー人気の過熱に大いに貢献したのである。功労者であるZOOの面々は4シーズン連続での登板となった。