川崎市バスが障害者を「乗車拒否」 ネット大論争も、これは“デジタル化”が生み出した新たな問題ではないか?

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川崎市の公共交通で、障害者手帳アプリ「ミライロID」が運転手に拒否される問題が発生した。デジタル化が進む中で、高齢者やデジタルに不慣れな利用者が直面する障壁が浮き彫りになった。運転手の認識不足が原因で、利用者とのコミュニケーションが不足していることも明らかになった。公共交通の未来には、すべての人が使えるシステムが必要だ。

多様性に応じた設計の重要性

路線バス(画像:写真AC)
路線バス(画像:写真AC)

 九州産業大学教授・藤井資子氏の論文「DX時代におけるデジタル・デバイドの変遷:インフラのデバイドからリテラシーのデバイドへ」(『アドミニストレーション』第29巻第2号)では、ブロードバンド環境が整備された現在、解決すべき大きなデバイド(ここでは、デジタル・デバイド=インターネットやパソコン等の情報通信技術を利用できる者と利用できない者との間に生じる格差)は

「情報通信機器の『最低限の利用に関するリテラシーの利用者間格差』」

だと指摘されている。この課題に対処するためには、年齢や身体的な条件、デジタルリテラシーのレベルに関係なく、誰でも使いやすいユニバーサルデザインを取り入れることが欠かせない。

 便利なアプリを開発しても、一気にデジタル化が進むわけではない。JR東日本の例でも、使いこなせるようになるまでにかなりの時間がかかることが示されている。特に、デジタルリテラシーが異なる多様な人々が利用する公共交通では、普及はさらに難しい。

 だからこそ、公共交通のデジタル化を進めるには、利用者の多様性に配慮したシステム設計が不可欠だ。また、全員がシステムを理解できるまで、必要に応じて人的サポートを提供する体制も重要だろう。

 今回の川崎市での出来事は、公共交通のデジタル面でのバリアフリー化がいかに大切かを示している。この問題を解決するには、交通事業者だけでなく、利用者も学ぶ姿勢を持つことが求められる。

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