川崎市バスが障害者を「乗車拒否」 ネット大論争も、これは“デジタル化”が生み出した新たな問題ではないか?
川崎市の公共交通で、障害者手帳アプリ「ミライロID」が運転手に拒否される問題が発生した。デジタル化が進む中で、高齢者やデジタルに不慣れな利用者が直面する障壁が浮き彫りになった。運転手の認識不足が原因で、利用者とのコミュニケーションが不足していることも明らかになった。公共交通の未来には、すべての人が使えるシステムが必要だ。
スマホ保有率8割の裏に潜むデジタル格差

スマートフォンが日常生活に欠かせない存在となった現代社会では、公共サービスのデジタル化が急速に進んでいる。しかし、その利便性を実際に享受している人は限られている。
総務省の『令和3年版情報通信白書』によれば、2020年時点でスマートフォンの世帯保有率は8割以上に達し、インターネット利用の主要な端末となっている。しかし、この数字は同時に約2割の世帯がスマートフォンを保有していない現実も示している。
インターネット利用は一般的となったとはいえ、2020年の利用率は83.4%、スマートフォンによるインターネット利用率は68.3%だ。つまり、日常に溶け込んでいるはずのインターネットを利用していない人が
「2094万人」
もいる。スマートフォンでインターネットを利用していない人は3999万人だ。つまり、誰もが当たり前のようにスマートフォンでサイトを見ているように見えるが、実際には日本人の約3分の1がそうではない。
特に高齢者層では顕著だ。内閣府の調査によれば、70歳以上の高齢者でスマートフォンやタブレットを「よく利用している」と答えた人の割合はわずか24.3%にとどまる。さらに、利用していない理由として
・自分の生活には必要ないと思っている(52.3%)
・どのように使えばよいかわからない(42.4%)
という回答が多く、デジタル技術に対する心理的な障壁が存在していることが明らかになっている。