北陸新幹線「米原ルート」 所要時間を計算したら「小浜ルート」よりも速かった!
北陸新幹線の新大阪延伸には25年と3.9兆円が必要で、米原ルートとのコスト差を考えると、国益を考えた選択肢に疑問を抱く意見がある。運行管理システムや車両面の課題を克服すれば、米原ルートの方が所要時間や費用面でメリットが大きいとされる。
新幹線輸出のレパートリーが増やせる
「2」の車両面でも同じことがいえる。
JR東海はN700Sをどんな長さの編成にも4両単位で自由に設計変更できる仕様で開発したとして、8両編成での運転試験を披露している。編成の長さも大事だが、さまざまな国へ展開するなら寒冷地にも対応できる仕様も開発すべきだ。
北陸新幹線米原ルート実現のためには、N700系列で統一されている東海道新幹線内の車両性能に合わせるため、当然、新大阪乗り入れ車両は北陸用12両のN700系にする必要がある。北陸用だからN700H系となるだろうか。これも寒冷地国へ輸出できる車両の開発のチャンスといえるはずだ。
また、糸魚川駅付近にある50Hz送電区間にも対応できる形にすれば、新大阪~長野間直通で最速2時間28分にすることもできる。車両側で対応が難しければ、今からでも変電所にJR東海の富士川以東の変電所のように、50/60Hzの変換装置を付けられないだろうか。将来の羽越新幹線直通(上越妙高~長岡・新潟間)も見据えて検討いただきたい。
「3」の16両しか受け入れないということもあり得ない。車両を東海道新幹線のぞみと共通運用にするならそうかもしれないが、そんな運用を組むことはまずあり得ないだろう。