北陸新幹線「米原ルート」 所要時間を計算したら「小浜ルート」よりも速かった!
金沢~新大阪1時間20分の可能性
次に、今回のダイヤ試算の前提条件についてお示しする。
国が2016年に想定した米原ルートの所要時間1時間41分はかなりの悪条件での想定だ。これは東海道新幹線への乗り入れはせず、米原駅での乗り換え時間15分を前提としたダイヤである。
これに対し筆者は前述の運行管理システム改修により新大阪直通を前提としたほか、米原駅には高崎駅付近の北陸新幹線と上越新幹線の分岐部にも採用されている160km運転でも通過可能な分岐器を、駅の名古屋方に通過線から北陸新幹線本線に入れる形で設置し、速達列車については160kmで米原駅を通過するものとした。
また、金沢~福井間は現状、最速達列車でも24分となっているが、筆者が次の条件で試算してみると……
1.255~260km運転(秒速70m)で試算。
2.金沢~福井間75.9kmを秒速70mで割って所要時間を出す。
3.停車駅の前後1.5kmずつは105~110km運転(秒速30m)になるものとして時間差1分を加算。
4.加速・減速分の時間差3分を加算。
その結果22分と出た。この2分の差はなんなのか。24分で走る場合の速度を推定したところ、230キロで走らせているようだ。
実際にユーチューバーの方の側面展望と衛星利用測位システム(GPS)による速度計を付けた動画で最速達列車の運転を見てみると、金沢~福井間はほぼ全区間を230km前後で走行。これで23分30秒となっており、発車時の秒数が30秒だったので時刻表上は24分となっていた、ということのようである。ほかのユーチューバーによる列車の編成長300mを駅通過時の通過秒数で割った計算でも230kmであったので、230kmでほぼ誤差はないといえるだろう。
このようにして敦賀での特急との接続などの余裕時分を考慮して2分余裕を持たせているのだろうが、新大阪まで1本となればこの余裕時分は不要となる。
なお、筆者試算ではその代わりに東海道新幹線への合流時の余裕時分として、福井~京都間において、同駅間無停車の列車の所要時間42分に対し、福井~米原間で2分の余裕時分を足して44分としている。この余裕時分を含めた上で、金沢~新大阪間、新大阪方面は最速1時間22分、金沢方面は最速1時間20分としている。