北陸新幹線「米原ルート」 所要時間を計算したら「小浜ルート」よりも速かった!
北陸新幹線米原ルートダイヤ概要
こうしてできたのがこの時刻表である。1時間最大8本の運行で、内5本が新大阪直通、3本が米原駅新大阪方に設置の車両基地(国の米原ルート案に示されていた)で折返とした。
現在、富山~敦賀間のみ運行の列車名は、各駅停車タイプ、速達タイプ、また、接続の特急が「サンダーバード」か「しらさぎ」かを問わず一律「つるぎ」となっているが、わかりやすくするために次の分類に改めた。
1.新大阪直通速達列車「つるぎ」(1時間最大3本)
2.新大阪直通各駅停車「はくさん」(1時間最大2本・一部列車は越前たけふ通過)
3.富山~米原間完結「しらさぎ」(1時間最大2本・うち半数は速達タイプ)
4.東京発着の北陸エリア各駅停車「はくたか」(1時間に1本・リダンダンシーの観点から運行区間を米原へ延長)
このような列車体系で、米原~富山間は速達列車と各駅停車が1時間最大4本ずつ交互に入る形となり、速達列車は福井と金沢で各駅停車に7~8分待ちで連絡となる。各駅停車1時間4本の内、新大阪直通は2本にとどまるが、残りの2本についても米原で「こだま」または「ひかり」に同一ホームで2~5分接続となったので、有効本数ベースでは新大阪~敦賀間で1時間最大4本である。
速達列車も1時間4本中、新大阪直通は3本だが、米原折返の「速達しらさぎ」は、新たに米原停車とした「岡山ひかり」に同一ホームで6分接続とし、新大阪~福井から先の各駅の間も有効本数ベースでは1時間最大4本を確保できた。
名古屋方面についても充実の本数だ。メインは「速達しらさぎ」と「岡山ひかり」の7分接続による利用となるだろうが、このほか「はくたか」「はくさん」「しらさぎ(各駅停車タイプ)」と「こだま」「ひかり」との乗継(乗り換え時間4~19分・平均10分・乗り換え時間3分以下のケースは除外)も合わせると、金沢~名古屋間の有効本数は1時間最大3本とこちらも充実の乗車チャンスだ。
既存の米原駅利用者にも朗報だ。現状、新大阪~米原間を利用できる列車は1時間に2本、23~37分間隔だが、停車本数の増加により1時間最大5本、利用できるようになる。運転間隔も米原駅では7~18分間隔、新大阪駅では6~18分間隔、いずれも平均12分おきで利用できるようになるだろう。
新大阪~鳥飼間の線増と米原駅の配線の工夫だけで、これだけの運行本数と、接続と追い抜きを考慮した実質的に使える本数である「有効本数」を確保できれば、小浜ルートよりはるかに安くて十分なサービスといえるのではないだろうか。