JR津軽線の復旧、なぜ誰も「北海道新幹線の線路」に言及しなかったのか?
実質負担の中身

鉄道ジャーナリスト・梅原淳氏がビジネスジャーナルに書いた記事「鉄道、1車両当たりの燃費、鉄道会社間で驚きの差? その理由とは?」(2018年3月24日配信)によると、JR北海道の場合、ディーゼルカーのエンジン1基を1時間アイドリングさせるだけで軽油を3.5L消費するという。また、走行中の燃費は1.5km/Lとのことだ。
1Lあたりの単価は、最近は130円台後半のようであるから、多少の上振れを見込んで140円で計算してみる。北海道新幹線経由で蟹田~津軽浜名間を運行する場合、距離は次のとおりだ。
・津軽浜名~奥津軽いまべつ間:6.1km
・奥津軽いまべつ~中小国間:11.9km
・中小国~蟹田間:4.4km
・合計:22.4km(現行より3.3km短い)
この距離なら、片道1本あたり15L消費し、2100円のコストということになる。三厩~津軽浜名間3.1kmを諦めたのと、在来線経由より3.3km短くなったのは大きい。被災前の津軽線は上下計10本(5往復)の運行だったので、1日あたり21,000円だ。また、始発前や折返時間のアイドリングは
「5往復 × 折返時間1時間 = 5時間」
とすると1日16.5L消費で2,300円。これも足すと1日約23,300円が燃料費となる。これを年間にすると
「約850万円」
である。次に奥津軽いまべつ~津軽浜名間の保線コストを考えてみる。国土交通省資料によると、線路・電路保存費の合計はJR東日本の数値を基準とすると1kmあたり1,428万円と高額だが、JRで2番目に安く、東日本と同じく雪が多いJR北海道の基準だと488万円/kmだ。奥津軽いまべつ~津軽浜名間6.1kmに当てはめると年間3,000万円弱になる。
最後に車両保守費だが、これもJR北海道基準だと1両あたり958万円。予備車や予備費を入れて2両で1,900万円少々を見積もっておけばよいだろう。
以上を合計し、北海道新幹線と中小国~蟹田間の線路使用料をわずかに支払うとすると、今別町営にした場合の実質負担は
「年間6,000万円」
といったところだろう。当初JRが示していた年間6億円から比べるとかなりのローコストだ。