JR津軽線の復旧、なぜ誰も「北海道新幹線の線路」に言及しなかったのか?

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JR津軽線の蟹田~三厩間の復旧が断念され、代替交通の議論が進む。

地域おこし協力隊の活用

奥津軽いまべつ駅(画像:写真AC)
奥津軽いまべつ駅(画像:写真AC)

 線路が手に入ったらランニングコスト(維持費用)の話だ。鉄道事業での悩みのタネのひとつが人件費である。ここで前述の「田舎の町営にしかできない秘策」の登場である。それは

「地域おこし協力隊」

の活用である。地域おこし協力隊は、国による地方創生の一環として行なわれている、都会に住んでいる人を地方に移住して地域活性化のために働いてもらうための制度だ。

 自治体がひとり採用するごとに年間最大520万円の交付金が自治体に入る。これだけの予算があれば、手取30万円になるように月給を設定すると36万円、年間432万円。ボーナスを1か月付けても468万円。その1割が社会保険等の雇用者側負担で47万円の加算。合計515万円で収まる。つまり、

「地方鉄道よりも高い給料」

で鉄道職員を雇えるのだ。実際に千葉県北東部の銚子市では元名古屋鉄道運転士の西上いつき氏が採用され、銚子電鉄に派遣されて運転士として活躍している。

 こういった事例もあることから、町で直接地域おこし協力隊として採用活動を展開すれば、休日出勤や短時間休憩に嫌気がさしている人が増えているという都市部の鉄道運転士業界に、

「田舎でのんびり地域の鉄道を支えませんか」

と訴求できる(なお、西上氏は名古屋鉄道を退職し独立・起業した後、数年事業を続けてからの採用であり、職場環境が転職の理由ではない)。こうして運転士やその他係員を集められれば、実質、町のランニングコスト負担は

・軽油代
・車両保守委託費用
・奥津軽いまべつ~津軽浜名間6.1kmの線路保守委託費用

だけになる。

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