バスを走らせるだけでは、もう生き残れない【短期連載】希望という名の路線バス(1)

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バス業界における異業種参入は、経営の多様化と地域コミュニティーの活性化をうながす。北海道拓殖バスと東急バスの取り組みを紹介する。

革新をもたらす異業種アイデア

地方の路線バス(画像:写真AC)
地方の路線バス(画像:写真AC)

 路線バスの専門家として、筆者は各所で

「バス事業者の異業種参入は当たり前」

と常々いってきた。“大きな箱”であるバスをただ走らせる時代は終わった。サウナバスなどのアイデアも、もはや否定できない。観光農園や小型モビリティなど、異業種参入で路線バスを守ろうとする企業の努力は高く評価されるべきだ。

 経営的な観点から見れば、バス事業者は異業種参入などの思い切った手を打つしかない。実際、この3年間で、将来を見据えた事業転換に挑むバス事業者が増えている。

 コロナ禍による乗客数の大幅な減少はバス事業者にとって大きな打撃となり、また、テレワークの拡大により、バス事業以外の分野で新たな収入源を確保する努力を余儀なくされる状況となっている。

 このような異業種参入は、今や「当然」の流れとなっている。バス事業者は、

・バスの空席
・営業所の空室

など、すでに持っている資源から収益を生み出すという課題に直面している。このような企画力は非常に重要であり、今後試されることになるだろう。バスとその周辺の問題を解決するビジネスがもっと生まれることを心から願っている。

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