取り扱い能力は1.7倍に 4月拡張「成田第3ターミナル」は国内線回復の救世主となりうるか

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2015年にLCC専用として開業した成田空港第3ターミナル。そんな同ターミナルが4月に大幅に拡張し、利用客増加が見込まれている。

開業からの歴史

成田空港の第3ターミナル。ジェットスター・ジャパンの運航便が並ぶ(画像:シカマアキ)
成田空港の第3ターミナル。ジェットスター・ジャパンの運航便が並ぶ(画像:シカマアキ)

 千葉県の成田国際空港(成田空港)には、三つの旅客向けターミナルがある。そのうち「第3ターミナル」には、ジェットスター・ジャパンやスプリング・ジャパンをはじめとする格安航空会社(LCC)が乗り入れている。第1~2の各ターミナルと異なり、

・鉄道駅からやや遠い
・ターミナルのつくりが簡素である

など、あくまでLCC利用者を対象としたターミナルなのが特徴だ。

 第3ターミナルは、LCC専用として2015年4月8日に開業した。LCCはレガシーキャリア(大手航空会社)より航空運賃が安価であり、リーズナブルに空の旅を楽しみたい層を主なターゲットとしている。そのため、ターミナルの建設費が通常より抑制されたほか、成田空港の出発時や到着時に運賃とともに徴収される旅客サービス使用料(PSFC)も、第1~2ターミナルよりも低めに設定されている。

 LCCに多い深夜便や早朝便を利用する搭乗客が、空港内で夜を明かすことも想定。24時間営業のフードコート、横になることができるベンチシートを多く設置したのも、当時話題となった。

 さらに、寝転んで仮眠できるスペースを空港内に用意したり(現在は閉鎖)、LCCの就航が急増したのを受けて2014年7月にカプセルホテル「ナインアワーズ」が第3ターミナルに先行して開業したりもした。

 2020年春ごろに新型コロナウイルス(新型コロナ)による感染症の拡大で多大な影響を受けるまで、第3ターミナルはにぎわいを見せていた。日本そして海外のLCC各社による国内線と国際線の便が数多く乗り入れ、利用客も多国籍だ。

 第1~2ターミナルでは、就航する大手航空会社が羽田空港へ運航便を移管する動きもあり、最盛期よりもやや閑散としてきた一方で、第3ターミナルは利用客が多く“活気”も感じられた。

「成田でLCCといえば第3ターミナル」

というイメージも、数年ですっかり定着した。