ボーイング機より燃費が2割も向上 世界の主力機・エアバス「A350」のグローバル戦略とは
低燃費で知られる航空機として知られ、世界の主力機に急成長したエアバス「A350」。そのグローバル戦略とは。
日本での運航も年々増加

世界の二大航空機メーカーといえば、米ボーイング社と仏エアバス社だ。ただ近年、エアバスが堅調に世界的シェアを拡大している。エアバスは、2021年の民間航空機の納入機数が611機で、ボーイングが発表した340機を上回り、3年連続で世界首位を維持。最も多いのが小型ジェット機「A320」ファミリーの463機で、中大型ワイドボディー機「A350」ファミリーが55機で続いた。
A320は格安航空会社(LCC)をはじめ、大手航空会社の短中距離路線で幅広く導入されている。一方、A350は主に国際線など中長距離路線向け。既存の「ジャンボジェット」と呼ばれるA380や、ボーイングの747、777などの大型機に代わる機材として導入する航空会社が近年相次いでいる。A350には
・標準型「A350-900」
・長胴型「A350-1000」
のふたつのタイプがある。
日本では、日本航空(JAL)がA350-900を先に導入し、2019年9月1日から国内線に就航。東京(羽田)=福岡、札幌(新千歳)、沖縄(那覇)、大阪(伊丹)などの主要路線で運航している。
2022年1月現在、A350-900の14機を受領し、15機目が2月に日本到着予定。JALはエアバスとの契約締結時、A350-900を18機、A350-1000を13機の合計31機を確定発注している(さらに25機をオプション契約) 。今後は国際線でも運用する予定だ。