「池袋暴走事故」を再考する! 高齢者に運転免許証返納を“強制”するのは本当に合理的なのか
「高齢者の事故率は低い」と主張しても、高齢者の交通事故に対する現役世代の見方は変わらない。本稿では、池袋暴走事故で議論された運転免許証の年齢制限を実施することの経済的・社会的コストの意義を問う。
運転中止と社会参加

この研究では、65歳以上の高齢者3556人(平均年齢71.5歳)を対象に、2年間の追跡調査を行い、運転中止の影響を調べた。高齢者グループは、
・運転を実施していない群
・運転を継続している群
・運転を中止した群
の三つに分けられた。比較研究の結果、運転を続けた高齢者に比べ、運転を中止した高齢者は要介護になるリスクが7.8倍高いことがわかった。筆者の経験でも、運転免許証を返納すると、
・外出の機会が損なわれる
・他人との交流が減る
ため、認知機能や身体機能が低下する。要介護状態になれば税負担が増えるだけで、結局は現役世代の負担増につながりかねない。結局、年齢に関係なく運転適性や運転能力で判断するしかない。生活道路で児童と並走しながら法定速度を超えるスピードで運転する者に年齢もなにもあったものではない。
社会は、高齢者の運転適性や運転能力を適切かつ正確に判断しなければならないが、警察や運転免許センター以外に、この判断の手助けをすることが許された職業がある。それが医師である。