貧困層は「交通事故」に遭いやすい? ロンドンの調査データにみる現代の理不尽、東京では大丈夫なのか

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ロンドン交通局は2023年4月18日、貧困地域に暮らす人たちが「交通事故で死亡もしくは重傷を負うリスクが2倍高い」というデータを発表した。

貧困が交通事故を招く

交通事故のイメージ(画像:写真AC)
交通事故のイメージ(画像:写真AC)

 ロンドン交通局は2023年4月18日、貧困地域に暮らす人たちが「交通事故で死亡もしくは重傷を負うリスクが2倍高い」というデータを発表した。

 2017年から2021年の間にロンドンで発生した交通事故を分析した結果、そのリスクには、死傷者の性別(生物学的/社会的)、年齢、交通手段に加え、貧困が強く関連していたという(リポート『Inequalities in road danger in London(ロンドンにおける交通危険の不平等、2017-2021)』)。

 今回の研究では、地域を小地域調査区(LSOAs)と呼ばれる単位でわけている。平均1500人(650世帯)で、日本でいえば自治会レベルだろうか。ロンドンには4835のLSOAがある。

 貧困レベルは、住人の収入や職のデータから相対的にランク付けしたものを使っている。同じLSOA内であっても、通りによってだいぶ様子が違うこともあるし、また隣同士でも経済状況は当然違ったりするのだが、区よりは傾向がつかみやすい。

 その結果、地域内の道路1kmあたりの交通事故による死者数と重傷者数は、下位30%の貧困地域は上位30%の裕福な地域の2倍だった。

 また、地域住民1000人あたりの交通事故による死者数と重傷者数は、下位30%の貧困地域が上位30%の裕福な地域のほぼ2倍だった。

 つまり、貧困地域では交通事故が起こりやすいだけでなく、貧困地域の住民はロンドンの

「どこを移動しているにせよ事故に遭いやすい」

ことが明らかになった。軽傷も含め、車や歩行など交通手段を問わず、貧困レベルが高いほど事故に遭っている。

 貧困と交通事故の関係については、英運輸省もイングランド地方を対象に同様の調査を行っている。やはり、交通事故の死傷者は貧困地域の住人が多く、過去10年でその格差は広がっているのだそうだ。(2022年11月24日付けプレスリリース)。

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