物流崩壊のカウントダウン? 引っ越し業者に長時間労働を強いてきた社会が生み出す「引っ越し難民」という病理
「業者を見つけるのがこんなに難しいとは思わなかった」「見積もりすら出してくれなかった」――。引っ越し需要が高まる3月、4月、引っ越したくてもできない「引っ越し難民」が増えている。これは物流崩壊の予兆なのだろうか。
「引っ越し難民」防止策

国土交通省と全日本トラック協会が「分散引っ越し」を呼びかけている。「分散引っ越し」とは、春の繁忙期を避けて2月以前や5月以降に引っ越しをすることだ。
両者によると、2024年は3月16日(土)~4月7日(日)に引っ越しが集中する。次いで3月9日(土)~3月15日(金)、4月8日(月)~4月14日(日)となる。
「引っ越し難民」にならないためには、「分散引っ越し」が一番の対策となる。ちなみに、繁忙期は引っ越し料金が割高になるため、時期をずらしたほうがコストメリットもある。
しかし、どうしても3月、4月の繁忙期に引っ越しをしたい(せざるを得ない)人のために、先行するニュースやSNSでは対策が紹介されている。
代表的な対策を解説する。
●時間指定なしの引っ越しサービスを利用する。
1件、あるいは2件以上の引っ越し現場をこなしてから引っ越しを行うサービスを利用すると、希望の引っ越し予定日でもまだ予約が取れる可能性はある。このようなサービスでは、原則として時間指定はできない。「13時~15時の間」「夕方17時以降」という緩やかな時間指定もあれば、時間指定がない、つまり何時に来てくれるのかまったくわからない場合もある。このサービスは、引っ越し料金が若干安くなるメリットがある反面、引っ越し作業が夜遅くまで続く可能性がある。また、荷物が多い世帯では利用を断られることもある。
●混載サービスを利用する
「単身パック」「トラックシェア」など、さまざまな呼び方がある。同じトラックを他の人とシェアして荷物を運ぶサービスだ。家族での引っ越しや荷物が多い場合は利用できないが、単身赴任の場合はこうしたサービスを利用するのもいいだろう。なお、荷物が目的地に到着するまでに数日かかる場合があるので注意が必要だ。