深夜の高速名物「0時待ちトラック」 私が“新深夜割引制度”の廃止を今すぐ求める4つの理由
「いっそ深夜割引制度なんてなくしてしまえ」 国土交通省と高速道路会社が発表した新たな深夜割引制度は、高速道路料金制度がトラック運送ビジネスにもたらした問題への本質的な考察を欠いている。
東名東京料金所などで発生する「歪み」

東名阪をつなぐ日本の大動脈である東名高速道路――。その終点である上り線の東京料金所では、何年も「0時待ち渋滞」が問題になってきた。
0時近くになると、1台、また1台とトラックが東京料金所の路肩に駐車し始める。やがて、駐車車両の列は二重三重になり、扇状に広がる料金所手前のスペースはハザードランプをともしたトラックで埋め尽くされる。後列は本線上に伸び、ときに数kmにおよぶ渋滞が発生することもある。
だがこの渋滞は、すぐに解消する。0時を回った途端、一斉に車列が動き始めるからである。
なぜ「0時待ち渋滞」が発生するのか。原因は、
「『1分』でも、午前0時から午前4時の間に対象区間を走行すれば、高速料金が30%割引される」
高速道路料金の自動料金収受システム(ETC)深夜割引にある。
深夜割引の恩恵を求めるトラックは、高速道路を退出する時間を調整しようとする。結果として、東名高速道路上り線の東京料金所のようなトラックが集中する場所において、「0時待ち渋滞」が毎夜引き起こされるのだ。