率直に問う 「四国新幹線」は本当に必要か? 喧伝される“時短メリット”への根本的懐疑

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いま四国4県では新幹線実現を求める声が強まっている。4県が四国新幹線を「岡山ルート」で建設することを求めていくことで一致したためだ。しかし、新幹線に対する温度差もある。四国新幹線は地域振興のために本当に必要なのか。それとも無用の長物なのか。

「時短 = 発展」という論理

高松市(画像:写真AC)
高松市(画像:写真AC)

 2018年1月9日の読売新聞朝刊に掲載されたJR四国の泉雅文相談役(当時会長)のインタビューのなかに、こんな一文がある。

「泉さんは2010年、社長に就任。その頃、瀬戸大橋線の乗客数は落ち込んでおり、在来線の高速化には限界を感じ、新幹線を強く意識したという」

この、新幹線に賭けようというJR四国の判断が、4県の四国新幹線実現への意欲を高めたともいえる。

 そして現在、JR四国は四国新幹線を

「地域活性化のために必要なインフラ」

という前提で説明するようになった。例えば、2023年7月22日の徳島新聞朝刊に掲載された記事で、JR四国の半井真司会長はこう語っている。

「四国新幹線ができると、移動時間が飛躍的に短縮する。徳島からの所要時間は、現在約3時間の大阪は約1時間半に半減。四国の3県都との間は高松まで30分を切り、高知や松山は1時間程度になる。時間短縮で人の動きが活発になれば経済が回る。人流が抑えられた新型コロナウイルス禍と真逆で、ビジネスや観光が拡大する。働く場が増えると、人口減少の抑止に大きな効果が期待できる」

 新幹線は新たな人の流れや経済活動を生み出すだろう。例えば、九州新幹線は沿線の駅ビルや近隣地域の開発の起爆剤となっている。熊本駅周辺は、市街地から外れているため以前は閑散としていたが、新たな市街地として開発が続けられている。また、鹿児島市では鹿児島中央駅を中心に新たな中心市街地が形成された。

 しかし、新幹線が正しい判断だったとは言い切れない。なぜなら、経済効果は広大な沿線全体に及ぶわけではないからだ。

 鹿児島市はその恩恵の陰影をよく表している。鹿児島中央駅が新ターミナルとなり、従来の天文館周辺の繁華街のにぎわいは減少した。また、中心市街地は栄えているように見えるが、若年層の人口流出が進んでおり、2015年と2020年を比較すると、15~44歳の人口は約8%減少している。支店や営業所も鹿児島県から撤退している。

 四国新幹線も4県そろってのビジネス・観光需要の増加にはつながりそうもない。

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